わたしは、自分が女だからこそ、女のひとが好き。

 わたしはさ、ほんとうに、女、
 自分が女だからこそ、女が好きなの。
 
 男がどんな悲惨な末路をむかえようと、わたしは決して同情したりなどしない。
 男って最悪、そんなものにもなりうる役割がある、それを引き受けているんだから、と思うだけだ。
 
 でも女の人が悲惨な目に遭う。
 これはわたしには耐えがたいし、許しがたいと思える。
 ほんとうに、そう思う。

 男は引っ込んでいな、と思うほどにだ。
 男など所詮、遊びに来ただけの存在だ。
 だから思う存分遊べばいい。
 
 そう、思う存分ただ、遊べばいいんだ。
 ほんとうにね。

 そしてそれを、わたしは、女の人に対してもほんとうに、思うんだ。
 女の人が優しければ優しいほどに、
 自分を犠牲にすればするほどに、
 愛おしくてならない、同情せざるを得ない反面、
 ものすごくもどかしく。

 最後の一人がこの梯子を昇るまでわたしは、見守りたい、付き添ってあげたい、
 わたしにその強さがあればどんなにいいだろう、と思うとなんだか、
 なんだか泣けてしまう。 

 

 それは自分にはそうするだけの覚悟がないことを、あらかじめ知っているからかもしれない。