わたしたちが賭け事はせずに手元に置いておけるもの。

わたしは美しいものが好きだ。

わたしは美しく描くのが好きだ。

なんでもないもの、見逃されがちなもののなかに美を見出すことができたらいい、そう思っている。

 


相手を、誰か自分以外の者を、コントロールできると思うのはまるで愚かなことだ。

馬鹿とか無能っていうのは、どんなに身近であれ目下であれ、他者に過ぎないそれを支配できる、監視下に置ける、予定外の行動を取らせまい、取らないでくれ、と思うことだ。

 


こうなると、自分ってどこからどこまでが自分だといえるんだろう?という気もしてくる。たしかに。

 


どうなんだろうね。

 


予想外のことは常に起こりうる。

 


わたしは博打場に身を置いているが、こんなことは所詮博打ごっこだと思っている、

人生そのものが壮大な博打であることに思いをやれば。

 


博打は怖い。

誰だって怖い。

 


失うかもしれないものを賭けるのなら、賭けないままに、手元に置いておきたいと思うんだ。

 


でも手元に置いておけるもの、いったいそれはなんという代物なんだろう?

 


実に不思議だ。

わたしたちが手元に置いておけるもの。